プリントオンデマンドサービスとは？意味や仕組み、メリットを解説！

従来の印刷方法との違いとは？

オフセット印刷

プリントオンデマンドを理解するために、まずは従来型の印刷方法、主にオフセット印刷について簡単に説明します。オフセット印刷は大量印刷に適しており、高品質な印刷が可能です。大量に印刷するほど1部あたりのコストが安くなるため、カタログやチラシなど、一度に大量に印刷する必要があるものに適しています。

しかし少量印刷の場合は、版の作成費用などの初期費用がかかるため、割高になります。また、印刷後に内容の変更や修正を行う場合、再度版を作成する必要があるため、時間とコストがかかります。

プリントオンデマンド印刷

一方、プリントオンデマンドは少量印刷に適しています。デジタル印刷機を使用し、注文を受けてから必要部数だけ印刷します。そのため、在庫を抱える必要がありません。従来型のオフセット印刷と比較した際のメリットとして、印刷工程が少ないためスピーディーで、初期費用を抑えられる点が挙げられます。また、1部ごとに異なるデザインに対応できるため、個別の名前やメッセージを入れるなど、バリエーション豊かな商品展開が可能です。

ただ、大量印刷の場合は、オフセット印刷に比べて1部あたりのコストが割高になります。また、オフセット印刷ほど高精細な印刷は向いていないというデメリットもあります。

それぞれの印刷方式での出版方法

日本の出版業界でオフセット印刷による出版を行う場合、書店に並ぶまでには下記の工程が必要です。

• 企画
• 執筆
• 編集
• 印刷・製本
• 書店流通
• 販売促進

出版社が本を出版する場合、あらかじめ初版部数を決めて、大量に印刷製本し、在庫を抱えながら書店に流通させます。初版部数とは最初に印刷する部数のことで、専門書で3,000部、一般書で5,000部くらいからのスタートです。

しかし、プリントオンデマンドでの出版は、注文数に応じて行うことが可能です。注文を受けてから印刷するため、在庫を抱えるリスクや無駄がないという特徴があります。また印刷・製本・発送までの時間が短く、短納期で商品を販売できます。一方で、出版物を多くの人に知ってもらうための宣伝活動は、自分で行う必要が出てくる場合があります。

オリジナルグッズ販売

プリントオンデマンドの魅力は、なんといっても自分のオリジナルグッズを気軽に作成・販売できる点にあります。従来は、グッズ制作というと、大量生産が前提で、在庫を抱えるリスクや初期費用が大きな負担となっていました。しかし、プリントオンデマンドなら、初期費用や在庫リスクを抑えつつ、あなただけのオリジナルグッズを販売できます。

サービスによっては、ポスター、クッション、スマホリングなど、多種多様なグッズを取り扱っています。ぜひ、あなたのアイデアを形にするのに最適なサービスを見つけてみましょう。

写真集

プリントオンデマンドを活用すれば、あなただけのオリジナル写真集を簡単に作成・販売できます。自分好みのサイズや用紙を選べば、イメージに合わせた写真集を作成できます。写真が趣味の方や、特別な思い出を形に残したい方は、プリントオンデマンドであなただけのオリジナル写真集を作成してみてはいかがでしょうか。

小説・ビジネス書出版

近年、自分の書いた小説やビジネス書を出版したいと考える人が増えています。従来は、出版社に持ち込み企画が通らなければ出版は難しいものでした。しかし、プリントオンデマンドサービスの登場により、誰でも気軽に自分の作品を本として形にできるようになりました。

プリントオンデマンドサービスを利用すれば、従来のように出版社に持ち込むことなく、自分の力で出版できます。出版にかかる費用や時間、労力を大幅に削減できるため、これから小説やビジネス書を出版したいと考えている方は、ぜひプリントオンデマンドサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

サービス内容を比較

プリントオンデマンドサービスを選ぶ際には、それぞれのサービスによって異なる内容を比較検討する必要があります。対応可能な用紙の種類やサイズ、加工オプションなどは、サービスによって異なります。自身が作成したいと考えている商品やサービスに最適なオプションが利用できるかどうかを、事前に確認しておきましょう。

また、注文後のサポート体制も重要な比較ポイントです。わからないことやトラブルが発生した場合に、迅速かつ丁寧に対応してくれるサービスを選ぶようにしましょう。

料金体系をチェック

プリントオンデマンドサービスによって、料金体系は大きく異なります。サービスを選ぶ際には、以下の項目について事前に確認しておきましょう。

販売価格の設定

販売価格を自由に設定できるか、あるいは、サービス側で決められた範囲内での設定となるのかを確認しましょう。

印税率

1冊販売ごとに受け取れる印税の割合や金額を確認しましょう。

印刷費用

ページ数や部数、用紙の種類などによって印刷費用がどのように変わるのかを確認しましょう。

製本費用

製本方法やページ数、部数などによって製本費用がどのように変わるのかを確認しましょう。

その他の費用

入稿料や月額利用料、振込手数料など、印刷費用や製本費用以外にかかる費用がないか確認しましょう。

これらの費用を総合的に判断し、自分の希望に合った料金体系のサービスを選ぶことが大切です。

販売チャネルの確認

プリントオンデマンドサービスによって、書籍を販売できるチャネル（販路）は異なります。

自分の作りたい書籍がどのチャネルで販売できるのか、必ず確認しましょう。

主な販売チャネルと特徴は以下の通りです。

オンライン書店

Amazonや楽天ブックスなど、日本最大級のインターネット上で書籍を販売できるチャネルです。販路が広く、多くの読者にリーチできる可能性があります。

実店舗

書店や雑貨店など、実店舗で販売するチャネルです。実際に手に取って見てもらえるため、購買に繋がりやすいというメリットがあります。ただし、店舗に置いてもらうための交渉や、在庫管理などの手間がかかる場合があります。

自社サイト

自分のウェブサイトやブログなどで販売するチャネルです。販売手数料が無料であったり、自由に価格設定できたりするなどのメリットがあります。ただし、集客を自分で行う必要があるため、販売促進の知識やスキルが求められます。

販売チャネルによって、メリット・デメリットは様々です。

どのチャネルで販売していくのか、事前にしっかりと検討しましょう。